カゲロウ酔夢譚

大好きなフライフィッシング、永い付き合いのジャズ、そして気まぐれな旅や愛してやまないお酒の話など、今日もほろ酔い気分で独り言
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命の洗濯(晩秋の渚滑川)

 今年最後の渚滑川を堪能してきた

東京に住んでいるものにとって、北海道の気候・気温を予想し着るものを的確に選択することはまず不可能と言ってよい。まして川や湖に立ちこむとなればなおさらのことだ。

前日インターネットで滝上町の週間天気予報をチェックすると、明日から3日間は何とか晴れマークがついていて、気温は最低8度最高17度となっていた。ところで、じゃあどんな服をバッグに詰め込んでいいのかが分からない。川に入って10度以下だと間違いなく防寒服だし、17度で晴れていたら汗ばむ。それにひょっとして雨が降れば・・・などなどと考えていると、いつの間にかバッグはパンパンの状態となるのだ。しかし、今回は先月小屋にウェイダーやロッドなど釣具一式を置いてきたので、車には着替えを詰めたバッグと手土産の焼酎を投げ込むだけでいいのだ。

午後3時過ぎの環状8号線と首都高速は意外にもスムーズだった。自宅から1時間で羽田空港に着いた僕は、車のキーを民間駐車場業者にわたし、荷物をJALカウンターに預けて、これから始まる今年最後の北海道釣行に気持ちを浮き立たせながら、腹ごしらえをかねて前祝の生ビールを一杯飲んだ。(いくぞー!)

17:50発のJAL1115便旭川行きはきわめて順調で、1000円贅沢をして予約したクラスJのシートは特別快適ではないが、損をしたと思わせるものでもない。まあ所詮1時間30分のフライトだ。最近はまっているジェイムズ・クラムリーの文庫をショルダーバックから取り出し、早速70年代のハードボイルド小説の世界に浸ることにした。

19:30の旭川空港には仕事帰りの迷人さんが、いつもの人懐っこい笑顔で迎えに来てくれていた。本当に申し訳なかったのだけれど、帰りはkouさんが空港まで送ってくれるように手配してもらっているのだ。おかげでレンタカー料金が不要になるのだが、迷人さんは「どうせ一緒に動くのだから無駄なことはしないでいいよ。」、さらにkouさんは「浮いたお金はまた北海道に来る資金にして。」とありがたい言葉。本当にいつも暖かい人たちだ。

旭川の天気は曇っていたが、そんなに寒くはない。迷人さんの34万キロ走っているカリーナに荷物を詰め込んで、いざ滝上の釣り小屋を目指すが、車は快調そのもの。つくづく日本の車の優秀さには感心させられる。

10時前に釣り小屋に到着するとkotaro夫婦、若旦那、ちびあめさんが迎えてくれた。皆さんもうアルコールが入っていたが、とびきりの笑顔である。魚も釣りたいが、この人たちに会えることが楽しくて、今年5回目の北海道なのだ。早速、若旦那さんが用意してくれた、北海道の地魚の刺身をつまみにして宴会開始。

翌日土曜日は快晴。前日コンビニで買っておいたカップラーメンとおにぎりで腹ごしらえをして早速川へ向かった。

大滝橋の上から川を覗くと、橋のすぐ下左岸に一匹の虹鱒が悠然と定位しているのを見つけた。川に下りて上流側からそーっと近づき、ブラックカディスを流した。その3投目に大きな飛沫が上がった。しっかりとした手ごたえを感じていたのは1秒間だけだったのか10秒間だったのか覚えていない。残ったのはテンションを失ったラインと「アーッ!」といううめき声。

その後、相性のいい大雄橋に移動したがあたりがない。ふとちびあめさんを見ると橋の少し上流側でずいぶん粘っている。下流側から上がってきた僕は、ちびあめさんが小さなライズを狙っているのを横目に50メートルほど上流に入った。
それからさらに30分以上たっただろうか、突然ちびあめさんのリールが「ジー」と長く鋭い音をあげた。見るとロッドが大きくしなっている。僕は早速駆け寄った。
ティペットを細くしフライをいろいろ取替え、1時間以上粘りに粘ったちびあめさん会心の釣り。
40センチを超えるきれいなニジをカメラに収めるちびあめさんは、満面の笑顔と満足感一杯でした。






朝はあんなに暖かくて汗ばむ陽気だったのに、午後2時30分過ぎると急に気温が下がってきた。風が出てくると落ち葉の流下も目に見えて増えてきて、釣りには厄介だ。昼ごはんも食べないでロッドを振っていた僕たちは川をあとにすることにした。
今日は大きなバラシ1で釣果なし。

その晩の釣り小屋は15人ほどで大盛り上がり。仕事を終えたkouさんも札幌から駆けつけ、深夜1時過ぎまで楽しい会話に酒が進む。迷人さんはこの夜も皆さんより一足早く撃沈。(ロフトから1枚)



kotaro奥様がさばく地鶏の刺身と鳥なべは絶品。
(ささみ、もも、レバー、砂肝の刺身をわさび、にんにく、塩とごま油で)



翌朝は迷人さん、ちびあめさん、kouさんと大滝橋の少し下流部分から入渓した。昨日ほどではないが天気はまずまず良好だ。(朝一番で川に向かう時はなぜか無口になってしまう。)



入渓地点から迷人さんと僕は下流へ、ちびあめさんとkouさんは上流へ向かうことにした。
迷人さんに教えてもらったポイントをしばらく流していると、瀬の落ち込みの白泡が縦長にゆっくり流れる向こう側のたるみのところで小さなライズを見つけた。12番くらいのカディスなどを流すが、反応するけど食ってくれない。僕は昨日のちびあめさんのことを思い出し、3召離謄ペットの先に5召離謄ペットを40センチほど結び、フライも小さいパラシュートに結び変えた。
30センチに届かないくらいだったが、渚滑生まれの元気のいいニジ二匹を連続でかけることができた。




迷人さんもすぐ隣の瀬の中から30センチオーバーをあげる。この辺が素人の僕と違うところなのだ。
そうこうしていると、上流に向かったちびあめさんから「大滝橋」のプールが良いとの連絡が入った。早速迷人さんと車で移動。

昨日大物をバラした大滝橋のプールに立つ。本当に美しい晩秋の渚滑川だが・・・・・・・・。



迷人さんが川の中央部分に大きなライズを見つけてそれを狙えという。僕にしてみるとけっこう距離があるのだ。何投かするが、力が入ってしまいきれいにターンオーバーしない。おまけにバックキャストで後ろの木の枝に引っ掛けてしまう。仕方ないので僕はサイドハンドで、ドラグがかかることを承知で、ライズポイントより少し対岸よりにキャストし、ロッドティップを軽く振ってラインを少しずつ流し込むことにした。

その何投目かでそいつは派手に出てきた。今でも僕の脳裏に焼きついているのは、その大物がまるで垂直に飛び上がるようにしてフライをくわえ込んだシーンなのだが、本当はそれはフッキングした後のジャンプだったかもしれない。

すべてが空ろだったが、ティペットを切られた時の悔しさは今も残る。そう、さっきのポイントで5召離謄ペットを継ぎ足したままにしていたのだ。これも技術であり実力だ。

そのあと迷人さんが、僕を慰めるように連れて行ってくれたのが、「七曲」というポイントだった。時間は午後3時を回っている。今日のラストチャンスだ。岩盤の上に立つと風が出てきていて、重い流れの淵にはたくさんの落ち葉が乱舞している。

そこで僕は先月若旦那さんからもらった大きなカメムシフライを結んだ。「落ち葉に負けないように目立てば・・。」というような軽い素人判断で。迷人さんはロッドを振らないで、僕の後ろで「阿仁多さん、もう少し上流から流して。」と、そのとき・・・・・



「来たねえ、阿仁多さん。よかったあ。40センチぐらいかな。」と迷人さんが自分のことのように喜んでくれる。計測してないけど、本当は35センチくらいだったかな。ありがとうございます、迷人さん。




小屋に帰ったら、道路の向こうで雄のエゾ鹿が迎えてくれた。


小屋のアイドル、ハチとキュウも迎えてくれた。




釣行最終日は、ちびあめさんkouさんと川へ行った。目指すはやっぱり「大滝橋」。3度目の正直だ。

下流側から釣り上がるが、プールの手前までは全く反応がない。ちびあめさんが、川幅が狭くなっているところ左岸の本当に浅いところを教えてくれた。昨日kouさんが魚をかけて、目前でバラした所だという。

2〜3投したとき、水面を吸い込むような小さなライズがあった。魚はそこにいる。体が緊張する。

しかしその魚は岸際ボサの下にいて、上には木の枝が垂れ下がっている。浅いのであまり近づけないし、ひざをついて全くサイドからしか振れないのでなかなかうまくポイントにキャストできない。

フライは昨日の最後に結んでいたカメムシだったが、へたくそなキャスティングで魚を驚かしてはいけないと16番ぐらいのパラシュートに結び変えた。そのとき幸運なことに魚が1メートルほど下流に動いた。そこは上からの枝が気にならない浅場で、そいつは背びれを見せて何か捕食している。

「来たー!」ロッドを立ててしっかりあわせる。そいつが頭を振るあの確かな手ごたえ。急いでラインのたるみを左手で手繰る。ここまでは完璧。

ちびあめさんが「落ち着いて、ゆっくり。」と言ってくれたのと「アー!」と叫んだのはほぼ同時だったように思う。3度目の正直ではなく、二度あることは何とかだったのだ。あまりにも軽いラインを手繰り寄せると、今度はバラシでもライン切れでもなく、なんとフックが折れている。

その後は大滝橋のプールを悠々とクルージングする50センチを超えるニジを狙ったが、全く反応してくれなかった。目の前2メートルまで近づいてきて、そいつは明らかに僕を見て何か言って離れていったのだ。あいつなんて言ったのかなあ?

はっきりしない自覚の中で大雄橋の下流に移動したが、釣れる気がしなかったし釣ろうとする意欲もあまりなくなっていたので納竿した。大滝のバラし、ライン切れ、フック折れの3連発は悔しかったけど、やっぱり大物を釣り上げるのは難しいと思い知らされたのだった。だから面白いのだけれど。


小屋でロッドをたたみパッキングして、途中にわか雨の中を旭川空港に向かった。空港までkouさんに送ってもらった。ちびあめさんも来てくれた。二人は札幌まで帰るのだ。疲れているのに本当に申し訳ない。
(空港で見た夕日は特別に美しかった。)




帰りはスカイマーク610便。僕は子供のように、眼下の旭川の夜景がすっかり見えなくなるまで窓をのぞきこんでいた。

羽田からの首都高は行きと同じく順調だった。9時に自宅に帰ってきて荷物を整理し、熱い湯に浸かった。本当に思い出深い釣行の後は、いくら疲れていてもそのまま床に就きたくない。
旭川空港で買ってきた「北海真蛸のたたき」をつまみにして会津花泉の「十ロ万(とろまん)」を飲んだ。
香ばしく甘い蛸とずっしり重い飲み口の酒がよく合う。




僕の気持ちをどこかに押し流そうとする清冽な川の流れ、見上げる者を押しつぶしそうな星空、いきなり空気を切り裂き飛翔する虹鱒、意思を持ったように風に舞う落葉、急な斜面を軽々と駆け上がるエゾ鹿、車に轢かれてしまいカラスに囲まれた無残なキタキツネ、東京にはない本当の大空を滑空するトンビ、底のない笑顔を持った暖かい人々・・・・、命の洗濯の旅が終わった。

またまた皆さんに感謝です。

(追記)
翌朝はむっちゃんにもらったベーコンをカリカリに焼いて生バジル入りのオムレツを作った。美味しかった。







釣れないおじさんの「釣々草」 | 10:31 | comments(2) | trackbacks(1)
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COMMENTS
お疲れ様でした!
逃がした魚はいつも大きいですよね。
何度も夢に出てくるものです(笑)
阿仁多さんのキャスティングはとってもキレイでしたよ!あのボサの下にもバッチリ入ってました。
おいらなんてあの木にしっかりフライ引っ掛けて、次の日コッソリ回収しました(笑)
生意気な事を言うと魚とのやり取りだけは経験に尽きると思います。小屋に集うエキスパートな面々も僕らが思う以上に多分泣いたことと思います。
次回は、是非リベンジをしましょう!!
また一緒に川&湖で楽しめると良いですね!!
| ちびあめ | 2008/10/26 21:03 |
ちびあめさんこんにちは。先日は本当にお世話になりありがとうございました。

本当にでかい魚とやり取りをする経験を、何回も積んでみたいなあ。

ちびあめさんのことだから、まさかもう納竿なんてことはないでしょう?僕のほうはもうだめなので、せめてきれいな魚の写真を見させてくださいね。

来シーズンが遠すぎます。
| 阿仁多 | 2008/10/27 18:56 |

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久しぶりに川!
先週の出来事。今回は長いです(笑) 湖・秋の部終了して、久しぶりに渚滑川へ。ゲス
| 釣った魚はいつも小さい | 2008/10/28 1:22 AM |


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